筋トレ後の筋肉痛を早く治す方法は?筋肉痛の原因や対処法&予防法を徹底解説

筋トレ後の筋肉痛、誰もが人生で一度は経験するあのツラい痛みですよね。

「早く治したい!」「もう二度と経験したくない!」そんな思いを抱えている方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、筋トレ後の筋肉痛を早く治す方法を徹底解説します。

さらに、筋肉痛を予防するためのポイントや、筋肉痛の際に行うべきトレーニング方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

そもそも筋肉痛はなぜ起こる?

筋肉痛は、運動によって傷ついた筋繊維を修復しようとする時に起こる痛みと考えられています。

例えば、私たちが運動中に、普段使わない筋肉を急に動かしたり、筋トレといった同じ筋肉を繰り返し使う運動を続けると、筋肉を構成している筋繊維が損傷します。

その後、傷ついた筋繊維を修復するために白血球を中心とした血液成分が集まり「炎症反応」を引き起こします。この炎症反応が生じると、ブラジキニンやヒスタミン、プロスタグランジンなどの痛みを生み出す物質が生成され、これが神経を刺激して、筋肉痛が起こるというわけです。

また、運動後に見られる筋繊維の修復期間は「超回復」とも呼ばれ、この期間に適切な栄養摂取や休息を与えることで、トレーニング前よりも筋肥大や筋力アップなどの成果が現れるとされています。そのため、必ずしも筋肉痛は悪いものではなく、むしろ筋肉の成長の兆候として捉えられることがあります。

年齢による影響はある?

「歳を取ると筋肉痛が遅れてくる」という話がありますが、実際には筋肉痛と年齢に因果関係はないとされています。

筋肉痛の症状が出るタイミングは、厳密には「運動強度」と密接に関連しています。例えば、短距離の全力疾走や強度の高い筋トレは筋肉に大きな負荷がかかってくるため、損傷も激しくなり、その分修復の症状が早く出てくる傾向があります。

一方、軽いジョギングや水泳といった負荷が少ない運動は、筋繊維が損傷しにくいため、筋肉痛も遅く出て来るとされています。

しかしながら、日常的に使用される筋肉とあまり使用されない筋肉との間で負荷は異なるため、筋肉痛が発生するタイミングは個人差があることは覚えておいてください。運動の度合いや種類、個々の身体の適応能力によっても筋肉痛の発生は異なってくると言えるでしょう。


筋肉痛を早く治す5つの対処法

筋肉の成長や、身体を鍛える上で避けては通れないのが筋肉痛。とはいえ、できるだけ痛い思いはしたくないですよね。

そこで、辛い筋肉痛を早く治すための対処法を5つご紹介します。

1,患部を冷やし、その後は身体を温める

筋肉痛が発症したということは、筋繊維が炎症を起こしている合図です。そのため、炎症の熱感を抑えるためにアイスバックや氷嚢などで患部を冷やすことが大切です。

ただし、長い間冷やし続けると血行が低下し、患部の治癒が進まなくなるので、長くても10~20分程度で止めておきましょう。

患部の熱が引くのを確認できたら、今度は反対に温めていきます。温めることで患部の血行がよくなり、また筋肉に溜まった疲労物質が流れやすくなるため、より修復がしやすくなり回復も早めることが期待できます。

温める際は、40~50度程度の蒸しタオルを10~20分程度患部に当ててみるのがおすすめです。冷やす時と同じで、温めすぎると、今度は低温やけどを起こす可能性があるため、やりすぎには注意をしてください。

2,ストレッチで血行を促す

筋肉痛の回復には、ストレッチが効果的です。筋繊維を痛めている時に、身体を動かすのは逆効果と感じてしまいますが、実際はストレッチによって血行が促され、疲労物質が流れやすくなるので回復を早めることが期待できます。

特にトレーニング後にストレッチを行うと、血行促進に加えて、緊張した筋肉も同時にほぐすことができるので、おすすめです。力加減は痛みを感じるまで無理をする必要はなく、心地よい程度の緊張感で10〜15分ほどストレッチを行ってみましょう。

また、体が硬いといった理由でストレッチを行うのが苦手な場合は、軽いジョギングや患部を軽くマッサージするだけでも効果は期待できます。

3,ぬるま湯で入浴する

暖かい湯船に浸かる入浴は、全身の血行を促進するため、筋肉痛の回復に効果的です。筋肉痛以外にも、温熱作用による新陳代謝の活発化やリラックス効果、快眠、腰痛・肩こり緩和など、様々な健康効果が入浴にはあることで知られています。

入浴する際は、38~39度のぬるま湯に肩まで浸かる「全身浴」がおすすめです。お湯の温度が高すぎると、筋肉が疲れてしまい逆効果になるため、40度以下の熱すぎないお湯が望ましいです。

さらに、入浴の効果を高めるには「温冷交代浴」もおすすめです。温冷交代浴は、体の加熱と冷却を交互に行う入浴方法で、湯船で体を温めた後にぬるめのお湯のシャワーで体を冷やす手順を繰り返します。このプロセスを3回ほど繰り返すことで、効果的な疲労回復が期待できると言われています。

4,睡眠を十分にとる

筋肉痛を肉体疲労の一種と考えれば、良質な睡眠が重要であることは言うまでもありません。

睡眠中は、「成長ホルモン」と呼ばれる、筋肉の修復を効果的に促すホルモンが分泌されます。特に就寝後1〜3時間の間にこのホルモンが最も分泌されるとされるため、この時間帯を逃さず、スムーズな入眠を心がけ、最低でも7時間以上の睡眠時間を確保することが理想的です。

そのため、就寝の3時間前には食事を終え、スマートフォンの使用やアルコールの摂取など、睡眠を妨げる行動を避けることが重要です。睡眠の質が低下すると、成長ホルモンの分泌が減少し、結果として筋肉痛の治りが遅れる可能性があります。

5,食事で不足した栄養をしっかりと摂る

筋繊維が損傷した筋肉は、血流不足や酸素不足に加え、必要な栄養素も不足している状態です。そのため、不足した栄養素を補うために、食事で効果的な栄養を摂取することが効果的です。

特に筋肉の修復と成長に不可欠と言われる「タンパク質」は積極的に摂取するように心がけましょう。具体的には、肉、魚、乳製品、卵、大豆製品など、タンパク質が豊富に含まれる食品を摂取することがおすすめです。

また、豚肉や玄米、大豆製品に多く含まれるビタミンB1も重要です。ビタミンB1には疲労回復や精神安定の効果が期待され、さらに玉ねぎやニンニクなどに多く含まれるアリシンを含む食品と一緒に摂取することで、ビタミンB1の効果を高めることができます。

筋肉痛の予防法

筋肉痛の対処法はわかったけど、「未然に防ぐ方法」もあるなら知っておきたいですよね?

筋肉痛は完全に予防することは難しいですが、ちょっとした心がけで筋肉痛の発生を軽減させることができます。

こまめな水分補給

筋トレなどの運動で汗をかくと、体の水分が失われ血行が悪くなります。その結果、筋肉痛も起こりやすくなります。

そのため、運動前や運動中はこまめに水分補給をして血流をスムーズに保ち、体の脱水症状を未然に防ぐようにしましょう。水分補給をする際は、一度に大量に摂取する必要はなく、150~200ml程度の水分を10分〜15分ごとに1回ずつ摂取するのがおすすめです。

汗をかきやすい夏季だけでなく、汗をかきにくい冬場でも乾燥によって体調不良の原因になることがあるため、季節を問わず水分補給を十分に行うことも大切です。

運動前にウォーミングアップで身体を温める

運動前にウォーミングアップで身体を温めておくことで、血行が促進されるため、筋肉痛の予防が期待できます。

ウォーミングアップは、運動前に身体を徐々に温め、心拍数や体温、筋肉の温度などを上昇させるための準備運動です。基本的には、ウォーキングや軽めのジョギングなどの有酸素運動を行います。

あくまで準備運動ですので、最初はゆっくりとしたペースで始めるのがポイントで、徐々にペースをあげながら身体を温めることに意識しましょう。時間は10~20分程度を目安に行い、さらにその前後でストレッチも加えると柔軟性も高められるのでおすすめです。

ウォーミングアップが完了した後も、いきなりハードなトレーニングメニューに取り組むのではなく、段階的に負荷を増やすことが重要です。

日頃から身体を動かす習慣をつけておく

筋肉痛の予防には、日常的に身体を動かす習慣を身につけておくことも大切です。定期的な運動や身体活動を行うことで、筋肉や関節の柔軟性も保てるので、筋肉痛はもちろん怪我の予防にも役立ちます。

また、身体を動かす習慣をつけることで、日常生活での動作がスムーズになり、急な運動や負荷にも対応しやすくなります。また、適度な運動はストレス解消にも効果的であり、心身の健康維持にもつながります。

身体を動かす習慣を身につけるためには、何よりも毎日の積み重ねが重要です。ウォーキングやジョギング、ストレッチなど、自分に合った運動や活動を選んで日々の生活に取り入れてみてください。

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もし筋肉痛でも筋トレをしたい場合は?

筋肉痛の時の無理な筋トレは、筋肉の修復を妨げてしまい、最悪怪我の恐れがあるので、基本的におすすめできません。

そうはいっても、中には「1日たりとも筋トレを休みたくない」という方もいることでしょう。

ここでは、筋肉痛がある時のトレーニングのポイントをご紹介します。

筋肉痛になっていない部位を鍛える

筋肉痛が発症している部位は、筋繊維の損傷がまだ修復しきっていない状態です。その状態で無理に筋トレをすると怪我の恐れがあるため、筋肉痛が出ている部位のトレーニングは避けた方が賢明です。

そのため、もし筋トレをするならば筋肉痛が出ていない部位を狙って鍛えてみましょう。例えば、太ももが筋肉痛の状態なら上腕を集中的に鍛える、上半身が筋肉痛なら下半身のみを鍛えるなど工夫してみるのがおすすめです。

このトレーニング方法は「分割法」とも呼ばれており、筋肉痛の時に用いられるだけではなく、「全身をバランスよく鍛えられるトレーニング法」として、多くの筋トレの中級者から上級者まで実践しています。

高負荷の筋トレは控える

どうしても筋肉痛が出ている部位を鍛えたい、といった場合は、負荷の低い筋トレを行いましょう。

筋肉痛が出ている部位は本来、筋繊維の回復プロセスに入っているため、以前と同じ負荷で筋トレを行うと再び筋繊維が損傷し、回復期間の遅れや超回復自体が起こらなくなる恐れがあります。

例えば、以前まで10kgのダンベルを使っていたのなら、半分の5kgに軽くしてみる、レップ数を減らしてみる、などして負荷を減らしてみましょう。

筋肉痛が酷い場合は休養することも視野に

筋肉痛の症状があまりに酷い場合は、休養を取ることを検討してみてください。実際、筋肉痛の際には、筋力や関節の可動域が制限されることがよくあり、そのためトレーニングの効果が十分に得られないとも言われています。

そのため、早めに休養を計画し、十分な睡眠や、栄養バランスの取れた食事の摂取など、筋肉痛の症状を少しでも早く治すための方法を試してみるのが良いでしょう。

筋肉痛が治まった後には、徐々に運動を再開し、無理のない範囲でトレーニングを行うよう心がけてください。

筋肉痛と上手く付き合い自分のペースでトレーニングしよう

筋肉痛は、筋肉の成長に不可欠な痛みとも言えるため、筋トレや運動とは完全に切り離すことは難しいものです。

しかし、適切な対処法を行うことで、痛みを軽減し、回復を早めることはできます。また、予防法を実践することで、筋肉痛の発生を抑制することもできます。

筋肉痛は個人差も大きいため治癒にかかる時間も異なることを理解しておきましょう。そのため、焦らずに自分のペースで回復を待つことが大切です。

筋肉痛と上手く付き合いながら、バランスの取れたトレーニングを心掛けましょう。

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