プロテインは飲むタイミングが大切!飲む際のポイントも解説 

効率的に筋肉をつけたい、あるいは健康的にダイエットをしたいと考える多くの方にとって、プロテインは今や欠かせないサプリメントの一つです。 しかし、ただ闇雲にプロテインを摂取しているだけでは、その優れた効果を十分に享受できず非常にもったいないことになっているかもしれません。

実はプロテインはその摂取する「量」と同じくらい、あるいはそれ以上に「いつ飲むか」というタイミングが体づくりにおいて極めて重要な鍵を握っています。 私たちの体は時間帯や活動状況によって栄養素の吸収率や筋肉の合成・分解の働きが刻一刻と変化しています。その体のリズムに合わせて最適なタイミングでタンパク質を補給してあげることが、トレーニングの効果を最大化し、最短距離で理想の体へと近づくための最も賢い戦略です。

この記事では、そんなプロテインの「飲むタイミング」に焦点を当て、その科学的な根拠から目的別の最適な摂取タイミング、そしてより効果を高めるための重要なポイントまで、専門家の視点から解説していきます。

目次

プロテインの効果を高めるタイミング

プロテインの効果を最大限に引き出すためには、体が特にタンパク質を必要としている「ゴールデンタイム」を逃さないことが重要です。

タイミング①朝食時

朝目覚めた時の私たちの体は、睡眠中に栄養素が使われた結果、水分や栄養素が枯渇した一種の飢餓状態にあります。特に血液中のアミノ酸濃度が低下しており、体はエネルギーを生み出すために自らの筋肉を分解してアミノ酸を作り出そうとします。これを「カタボリック」と呼びます。

この筋肉の分解を防ぎ体を目覚めさせるために、朝食でタンパク質を補給することは非常に重要です。しかし忙しい朝に肉や魚といった固形のタンパク質を十分に用意するのはなかなか難しいものです。 そんな時、水や牛乳に溶かすだけで手軽に高品質なタンパク質を摂取できるプロテインは、朝食の強力な味方となります。

朝一番にプロテインを摂取することで血中アミノ酸濃度を速やかに高め、筋肉の分解を防ぎ一日の活動を始めるための良いスタートを切ることができるのです。

タイミング②トレーニングの前後

トレーニング効果を最大化するための最も有名なプロテイン摂取のタイミングが、この「トレーニング後」です。特にトレーニング終了後45分以内は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、傷ついた筋繊維の修復とより強い筋肉を作り出すための「筋タンパク質合成」が最も活発に行われる時間帯です。

このタイミングで筋肉の材料となるプロテインを摂取することで、筋肉の回復を早め効率的な筋肥大を促すことができます。 またトレーニングの1時間から2時間前にプロテインを摂取しておくことも有効です。これによりトレーニング中の血中アミノ酸濃度を高め、エネルギー切れや筋肉の分解を防ぐ効果が期待できます。

タイミング③食後や間食時

プロテインは通常の食事で不足しがちなタンパク質を補うための、補助的な役割としても非常に有効です。 例えば昼食がおにぎりやパン、麺類といった炭水化物が中心のメニューになってしまった際に、食後にプロテインを一杯加えることで栄養バランスを整えることができます。

また昼食と夕食の間など小腹が空いた時間帯の間食としてプロテインを摂取するのもおすすめです。お菓子やジュースといった高糖質・高脂質な間食に比べてはるかに健康的であり、タンパク質は満腹感を持続させる効果もあるためダイエット中の方にも最適です。

タイミング④就寝前

意外に思われるかもしれませんが、「就寝前」もプロテイン摂取の効果的なタイミングの一つです。 私たちは睡眠中に体の成長や修復を促す「成長ホルモン」を最も多く分泌します。

この成長ホルモンの働きに合わせて就寝の30分から1時間前にプロテインを摂取しておくことで、その材料となるアミノ酸を睡眠中の体に供給し続け、効率的な筋肉の回復と成長をサポートすることができるのです。 このタイミングでは後述する吸収がゆっくりとした「カゼインプロテイン」を選ぶのが、特に効果的とされています。

プロテインは食前と食後のどちらに飲むべき?

プロテインを食事の補助として摂取する場合、「食前」と「食後」どちらのタイミングで飲むべきか悩む方も多いでしょう。これはご自身の「目的」によって最適な選択が変わってきます。

もしあなたの目的が「ダイエット」や「減量」であるならば「食前」に飲むのがお勧めです。プロテインは満腹感を与えてくれるため、食事の30分ほど前に飲んでおくことで自然と食事の量を減らし総摂取カロリーを抑える効果が期待できます。また食事の最初にタンパク質を摂ることは、血糖値の急激な上昇を抑える効果もあるとされています。

一方で目的が「体重増加」や「筋肥大(バルクアップ)」である場合は「食後」に飲むのが良いでしょう。通常の食事で十分な栄養を摂取した上で、さらに追加でタンパク質とカロリーを補給することで体重増加に必要なエネルギーを確保することができます。あるいは食事と食事の間の「間食」として摂取するのも有効です。

プロテインの吸収にかかる時間

最適な摂取タイミングをより深く理解するためには、プロテインの種類によって体内での消化吸収にかかる時間が異なることを知っておく必要があります。

ホエイプロテイン

牛乳を原料とする現在最もポピュラーなプロテインです。その最大の特徴は消化吸収が非常に速いことで、摂取後約1時間から2時間で素早く体に吸収されます

そのためトレーニング直後の「ゴールデンタイム」など、一刻も早く筋肉にアミノ酸を届けたいというタイミングでの摂取に最も適しています。また朝食時など枯渇した体に素早く栄養を補給したい場面にも最適です。

ソイプロテイン

大豆を原料とする植物性のプロテインです。消化吸収のスピードは比較的緩やかで、摂取後約5時間から6時間かけてゆっくりと体に吸収されていきます。 腹持ちが良く満腹感が持続しやすいという特徴があるため、ダイエット中の間食や食事の置き換えとして非常に人気があります

また大豆イソフラボンが含まれているため、女性の美容と健康をサポートする効果も期待されています。

カゼインプロテイン

ホエイプロテインと同じく牛乳を原料としますが、牛乳に含まれるタンパク質の約80%を占める不溶性の固形成分です。その最大の特徴は消化吸収が非常にゆっくりであること。摂取後約7時間から8時間かけて、長時間にわたり体にアミノ酸を供給し続けます

この性質から就寝前に摂取することで、睡眠中の筋肉の分解を防ぎ持続的な回復をサポートするのに最も適したプロテインといわれています。

プロテインを飲む際のポイント

プロテインの効果をさらに高めるための4つの重要なポイントをご紹介します。

ポイント①栄養素の一つとして取り入れる

まず大前提として、プロテインは決して「筋肉増強剤」のような魔法の薬ではないということを理解しておく必要があります。プロテインはあくまで肉や魚、卵などと同じ「タンパク質」という栄養素を手軽に補給するための「食品」です。

日々のバランスの取れた食事が体づくりの基本であり、プロテインはその食事だけでは不足しがちなタンパク質を補うための補助的な役割であるということを忘れてはいけません。プロテインだけに頼るのではなく、食事全体の栄養バランスを考えることが最も重要です。

ポイント②リカバリーを意識して摂取する

トレーニングで傷ついた筋肉を効率的に回復させるためには、タンパク質だけでなく「糖質(炭水化物)」を一緒に摂取することが非常に効果的です。 糖質を摂取すると血糖値を下げるために「インスリン」というホルモンが分泌されます。このインスリンには血液中のアミノ酸を筋肉細胞へと取り込む働きを促進する作用があるのです。 トレーニング後にプロテインと合わせておにぎりやバナナ、オレンジジュースといった吸収の速い糖質を一緒に摂ることで、よりスピーディーな筋肉の回復と成長が期待できます。

ポイント③1日分を4~5回に分けて飲む

私たちの体は一度に大量のタンパク質を摂取しても、それを全て吸収しきれるわけではありません。吸収できる量には限界があり、それを超えた分は体外に排出されたりあるいは体脂肪として蓄積されたりしてしまいます。 そのため1日に必要なタンパク質を1回や2回でまとめて摂取するのではなく、朝食時、トレーニング後、間食、就寝前といった形で4回から5回にこまめに分けて摂取するのが最も効率的な方法です。 これにより血液中のアミノ酸濃度を常に高い状態で安定させることができ、筋肉の合成を有利に進めることができます。

ポイント④作ったらすぐに飲む

プロテインは水や牛乳と混ぜてシェイクしたら、できるだけすぐに飲み切るようにしましょう。 プロテインパウダーは栄養価が高いため、液体と混ざった状態で常温で放置しておくとそれをエサにして雑菌が繁殖しやすくなります。食中毒の原因となる可能性もあるため、作り置きは絶対に避けるべきです。 また時間が経つとタンパク質が変性し風味が落ちたり体への吸収が悪くなったりする可能性もあります。最高の状態でその効果を得るためにも、飲む直前に作ることを徹底してください。

プロテインを飲む際の注意点

プロテインは正しく摂取すれば非常に有効なサプリメントですが、いくつかの注意点も存在します。

注意点①作ったらすぐに飲む

繰り返しになりますが衛生管理の観点から、プロテインの作り置きは厳禁です。特に夏場や湿度の高い環境では雑菌の繁殖スピードが速まります。トレーニングジムなどでシェイカーを持ち運ぶ際も、飲む直前に水とパウダーを混ぜるようにしましょう。

注意点②温めすぎないように注意する

寒い時期に温かいプロテインを飲みたいと感じることもあるかもしれません。しかしプロテイン、特にホエイプロテインは熱に弱い性質を持っています。 一般的に70℃以上の高温にさらされるとタンパク質がその構造を変えて固まってしまう「熱変性」を起こし、ダマになって非常に飲みにくくなります。また吸収効率が低下する可能性も指摘されています。 もし温める場合は人肌程度のぬるま湯で溶かすに留めておくのが賢明です。

注意点③カロリー過多に気をつける

プロテインももちろん「カロリー」があります。タンパク質は1gあたり4kcalのエネルギーを持っています。 良質なタンパク質だからといって通常の食事にプラスしてプロテインを無計画に飲みすぎてしまうと、一日の総摂取カロリーが消費カロリーを上回りその余剰分は体脂肪として蓄積されます。

筋肉をつけるつもりがかえって脂肪を増やしてしまったという事態にならないよう、プロテインのカロリーも考慮に入れた上で一日のトータルでの栄養管理を行う必要があります。

注意点④飲めば飲むほどよいわけではない

タンパク質は体にとって不可欠な栄養素ですが、何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」です。 一度に過剰な量のタンパク質を摂取し続けると、それを分解・代謝するために肝臓や腎臓に大きな負担がかかる可能性があります。 厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」などを参考に、ご自身の体重や活動量に見合った適切な摂取量を守ることが健康を維持する上で非常に重要です。

プロテインは量だけでなく飲むタイミングが重要

プロテインはもはや一部のボディビルダーやアスリートだけの特別なものではありません。それは理想の体を目指す全ての人々の努力を、科学的にそして効率的にサポートしてくれる心強いパートナーです。

しかしご自身にとって本当に最適なプロテインの種類や摂取量、そして飲むタイミングは、その方の体質や骨格、目標、そしてライフスタイルによって千差万別です。

もしインターネットの情報だけでは判断に迷い、ご自身にとっての「正解」を知りたいとお考えでしたら、ぜひ一度レクサーパーソナルジムのプロのトレーナーにご相談ください。 私たちは客様一人ひとりの体と目標に徹底的に向き合い、トレーニング指導だけでなく栄養学に基づいた最適な食事プランとサプリメンテーションのアドバイスまで、マンツーマンでトータルにサポートさせていただきます。

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